車のオイル管理は、愛車を長持ちさせる重要なポイントです。エンジンオイルは、エンジンを円滑に動かすために必要であり、定期的に交換する必要があります。
この記事では、車のオイル管理とエンジン寿命の関係について解説しています。なぜ適切なオイル管理が必要なのか、具体的な理由と有効な対策を紹介していますので、ぜひ最後まで読み進めてください。
目次
車のエンジン寿命にオイル管理が重要な3つの理由

車のエンジン寿命は、良くも悪くもオイル管理によって決定づけられます。それだけ、オイル管理がエンジン寿命に与える影響は大きいのです。
適切なオイル管理が重要な理由を3つ紹介します。
理由1. 部品の早期摩耗を防ぐため
エンジンオイルは、エンジン内部の部品間に油膜を形成し、直接触れるのを避けて摩擦と摩耗を防いでいます。オイル交換を怠ると油膜の効果が薄れ、部品同士の摩擦が増え、部品の表面が削れて損傷の原因になります。
また、エンジンオイルはエンジン内部の汚れや金属粉を吸着する働きもあるため、劣化すると汚れや金属粉を落とせません。
理由2. オーバーヒートによる損傷を防ぐため
エンジンオイルは、エンジン内部品の摩耗を防ぐだけではなく、エンジンで発生する熱を吸収し温度を下げる役割があります。劣化したオイルは、冷却作用が低下し放熱ができないため、エンジンの温度が上昇しオーバーヒートになる恐れがあります。
過度な高温は、エンジン内部品の変形や損傷、ひいてはエンジンの焼き付きを引き起こしかねません。
理由3. 汚れの堆積を減らすため
エンジン内部は、燃焼によって生じた燃えかすや不純物により汚れます。燃えかすや不純物は、通常エンジンオイルによって洗い流されますが、オイル交換をしないと堆積していきます。
その結果、オイルの通り道やフィルターを詰まらせ、重大なトラブルになりかねません。適切なオイル管理がエンジン寿命を伸ばすカギになります。
エンジンオイルの重要な5つの役割

エンジンオイルには、エンジンを保護して寿命を延ばし、性能を発揮させる役割があります。そのため、適切にオイル管理をしなければなりません。主に、以下の重要な役割があるので紹介します。
部品の摩擦を防ぐ潤滑作用
エンジンオイルがエンジン内部の金属部品に油膜を作り、部品同士の摩擦を防ぐ働きが潤滑作用です。
エンジン内部は、部品が絶え間なく高速回転しているため、部品同士が直接触れると損傷します。そのため、エンジンオイルは部品の表面を滑らかにし、スムーズな動きを保ってエンジン本来の性能を発揮する働きがあります。
エンジンを冷やす冷却作用
エンジンオイルは、摩擦や燃焼で発生した熱を吸収して冷却する働きがあります。
エンジンの冷却は、主にクーラント(冷却水)が担っている一方で、エンジンオイルは局所的に温度を下げています。特に、常に高温にさらされる燃焼室まわりの冷却は、クーラントだけでは補いきれません。エンジンは最適な温度管理によって耐久性が向上します。
汚れを落とす洗浄作用
エンジンオイルには、エンジン内部の汚れや金属粉などを洗い流し、性能の低下や故障を防ぐ働きがあります。エンジン各部を循環しながら汚れを吸着したエンジンオイルは、オイルフィルターを通り汚れを落とします。
エンジンオイルは、汚れを吸着するごとに洗浄作用が低下していくため、定期的にオイル交換しなければなりません。
隙間を塞ぐ密封作用
エンジン内の部品同士のわずかな隙間を油膜で塞ぐのが密封作用です。エンジン内の隙間を埋めると、燃焼室内の圧力を逃がさず伝えられるため、車の走行性能をよい状態で維持できます。
エンジンの出力を最大限発揮するためには、密封作用は欠かせません。
錆の発生を防ぐ防錆作用
エンジン内部の金属部品を油膜で覆い、水分や酸素が直接触れるのを防いで、錆の発生を抑えるのが防錆作用です。
エンジン内部は、外気温との温度差や燃焼による水蒸気など、水分が生じやすい環境です。錆の発生は、部品の劣化を早め、エンジンの性能低下や寿命を縮める原因になります。
車のオイル管理で大切な2つのポイント

車のエンジン寿命に大きな影響を与えるオイル管理は、ただ何となくで計画を立ててはいけません。車のオイル管理で大切なポイントを主に2つ、以下より紹介します。
ポイント1. 適切なタイミング
車のオイル管理で最も大切なのは、オイル交換のタイミングです。下表に一般的なオイル交換時期を紹介します。
車種 | 通常走行 | シビアコンディション |
軽自動車 | 10,000㎞、または6ヶ月 | 5,000㎞、または3ヶ月 |
普通乗用車 | 15,000㎞、または1年 | 7,500㎞、または6ヶ月 |
ターボ車 | 5,000㎞、または6ヶ月 | 2,500㎞、または3ヶ月 |
車種ごとにメーカー推奨の交換時期があるため、取扱説明書を確認しましょう。
ポイント2. メーカー推奨のエンジンオイルを選ぶ
車のオイル管理では、車に適したエンジンオイルを選びましょう。基本的には、メーカー推奨のエンジンオイルを選ぶと間違いありません。
エンジンオイルを選ぶ際は、特に「粘度」「品質規格」「ベースオイル」を確認しましょう。粘度の違うオイルや、車の使用環境に合わないベースオイルを使うと、故障の原因になる場合があります。
関連記事:エンジンオイルの選び方は3つの基準で決まる!交換時期も確認しよう
まとめ|適切なオイル管理で愛車を長持ちさせよう

車のオイル管理は、エンジンの寿命を決定づけるといっても過言ではありません。適切な時期のオイル交換と、車に適したオイル選びを心掛けるだけで、トラブルのリスクを大幅に減らせます。
適切なオイル管理は、無駄なメンテナンスコストを削減するため、長期的に見ると非常に賢明な投資です。愛車のオイル交換を定期的に行い、エンジンの寿命を延ばしましょう。