エンジンオイルの色が黒くなり、対処すべきかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、エンジンオイルが黒くなる原因や対処法について解説します。併せて、エンジンオイルの色を確認する方法も紹介します。
エンジンオイルをきれいに保ちたい方は必見です。
目次
車のオイルが黒くなる原因

車のエンジンオイルが黒くなる原因は3つあります。
- 汚れの蓄積
- 酸化による劣化
- 酸化防止剤の影響
多くの方は、汚れや劣化によりエンジンオイルが黒くなるとお考えではないでしょうか。しかし実は、それ以外にも黒くなる原因があります。
そこで、車のエンジンオイルが黒くなる原因について詳しく解説します。
汚れの蓄積
自動車はガソリンなどの燃料を燃やし、爆発させる力でエンジンを動かしています。その際、スラッジと呼ばれる燃えカスが発生するのです。エンジンオイルにはこの汚れを洗浄分散させる働きがあり、汚れを吸収してスラッジがエンジンに溜まることを防いでいます。
このように、エンジンオイルには汚れを吸収する効果があるため、汚れを取り込み蓄積することでエンジンオイルが黒くなります。
酸化による劣化
エンジンオイルは、劣化し酸化することにより黒くなります。エンジンオイルもほかの物質と同じように、空気に触れることで酸化が進みます。エンジン内部は密閉されていますが、完全に空気と触れないわけではありません。
そのうえ、先程も紹介したように、エンジン内部では燃焼や爆発を繰り返しています。そのため、エンジンオイルは熱による影響を受けやすく、酸化につながるのです。
酸化防止剤の影響
エンジンオイルに添加されている酸化防止剤が変色し、黒くなるケースもあります。
エンジンオイルは酸化しやすいため、性能をキープするために酸化防止剤が添加されているケースがあります。この酸化防止剤の種類にもよりますが、酸化防止剤に熱や光、圧力などの影響が加わることで、エンジンオイルが黒くなるのです。
これは、エンジンオイルが汚れたり劣化したりしたことが原因ではありません。酸化防止剤が変色した場合には、汚れや劣化と異なり、エンジンオイルの表面のみ黒くなるのが特徴です。
車のオイルが黒くなると

エンジンオイルが汚れや劣化により黒くなると本来の性能を発揮できなくなります。
そもそもエンジンオイルには、潤滑作用、冷却作用、密封作用、防錆作用、清浄分散作用などの役割があります。これらが機能を果たさなくなると摩擦抵抗が増え、燃費の悪化や自動車のパワーをフルに発揮できなくなるのです。
さらに、エンジンオイルが汚れや劣化により黒くなると、汚れが溜まりやすくなります。汚れが溜まることで最悪の場合オーバーヒートする可能性もあるため、汚れや劣化によるエンジンオイルの変色には注意が必要です。
オイルの色を確認する方法

エンジンオイルの色は、オイルレベルゲージについたエンジンオイルを確認することでチェックできます。そこで、エンジンオイルの色を確認する方法を紹介します。
まず、ボンネットを開けてオイルレベルゲージを引き抜き、布などで一度拭き取ります。その後、再びオイルレベルゲージを差し込んでから引き抜き、先端についたオイルの色や透明度を確認しましょう。
エンジンオイルの色を確認する際には、エンジンが冷えている状態で作業を行うことが大切です。エンジンが冷えていないとエンジンオイルやエンジンルームが高温になるため、やけどの危険性があるのです。
車のオイルが黒くなったときの対処法

エンジンオイルが汚れや劣化により黒くなったときの対処法を、2つ紹介します。
- エンジンオイルを交換
- エンジンフラッシング
エンジンオイルをきれいに保ち、エンジンのパワーを十分に発揮できるよう心がけましょう。
エンジンオイルを交換
汚れたり劣化したりしたエンジンオイルは交換し、新しいオイルに入れ替える必要があります。そこで、エンジンオイルの交換タイミングの目安を解説します。
ガソリン車では、走行距離15,000km、もしくは年に1回の交換が推奨されています。走行距離が15,000kmを超えていなくても、前回の交換から1年以上経っている場合には交換が必要です。これは、エンジンを動かしていない場合でもエンジンオイルは劣化するためです。
また、ターボ車や軽自動車など、エンジンへの負担が大きい車ではこれよりも早いタイミングでの交換が推奨されています。この場合、走行距離10,000km、もしくは半年に1回の頻度で交換を行いましょう。
それ以外にも、シビアコンディションでの走行が多い場合には、交換頻度を上げる必要があります。シビアコンディションとは、悪路や坂道の走行を頻繁に行うケースです。エンジンに負荷がかかりやすくなるため、エンジンオイルの劣化も早まります。
エンジンフラッシング
エンジンフラッシングとは、エンジン内部を洗浄することです。エンジン内部の汚れがひどく、エンジンオイルがすぐに汚れてしまう場合に効果的です。
エンジンフラッシングの方法は、添加剤を使用する方法、フラッシングオイルを使用する方法、機械を使用する方法の3つがあります。
添加剤を使用する場合には、オイル交換時に新しいエンジンオイルへ添加剤を混ぜ、走行しながら洗浄します。フラッシングオイルを使用する方法は、エンジンオイルを抜き切ってからフラッシングオイルで内部を洗浄し、新しいエンジンオイルに交換する方法です。機械で洗浄する場合には、カー用品やディーラーで専用の機械を使って行います。
車のオイルが黒くなる原因を理解し対処できるようになろう

エンジンオイルが黒くなる原因は汚れや劣化のみならず、酸化防止剤の影響も考えられます。
汚れや劣化で黒くなったエンジンオイルは性能を果たせなくなるため、オーバーヒートなどのトラブルへつながるおそれがあります。そのため、オイル交換やエンジンフラッシングを行い、エンジンオイルをきれいに保ちましょう。