バイクのエンジンフラッシングは愛車を長く楽しむ上で非常に重要です。しかし、フラッシングという言葉は聞いたことがあっても大半の方はできていないのが現状です。
フラッシングは、気軽に自分でできるメンテナンスの一つです。
そこで今回は、バイクのフラッシングについて解説します。役割から適切な方法やオイルの相場、役割まで徹底的に解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
エンジンフラッシングとは|エンジンの内部を洗浄
エンジンフラッシングとは、エンジン内部の洗浄のことです。エンジンはガソリンを使用してバイクが走る力を生み出しますが、その過程で不純物がどんどん溜まります。
洗濯機などの家電と同じで、そのまま放置しているとエンジンの調子は悪くなるのです。定期的な洗浄はエンジンの調子を良くするだけでなく、単純に寿命の延長にも繋がります。
フラッシングは専用のオイルを使用します。自身の愛用のバイクを長く乗るためにも定期的に行いましょう。
なぜエンジンフラッシングが必要なのか
フラッシングしなければエンジン内部はどうなってしまうのでしょうか。ここでは、なぜフラッシングが必要なのかを理由と共に解説します。
フラッシングが必要な理由は大きく3つあります。
- 内部の汚れ取り除く
- エンジンの状態を良く保つ
- エンジンの寿命が伸びる
バイカーのたしなみとしてフラッシングをしっかりと理解しておきましょう。
内部の汚れを取り除く
最大の理由として、内部の汚れを取り除くことが挙げられます。上記でもお伝えした通り、エンジンは日々バイクの動力として稼働していますが、その過程で汚れが溜まります。
家電でもなんでもそうですが、ツールと呼ばれる物は定期的な掃除が必要不可欠です。
エンジンの状態を良く保つ
定期的に行うことで、内部は清潔に保たれ、快調に愛車を楽しめます。もちろん、状態が良ければ、吹け上がりの良さや燃費の向上にも繋がります。まさしく、バイクで風を切るためには必要不可欠なのです。
せっかくのツーリング、バイクが不調だったら悲しくなるでしょう。また、安全に愛車に乗るためにも洗浄は重要な作業の一つです。
エンジンの寿命が延びる
自分が好きで買ったバイクなので長く乗りたいと思うのではないでしょうか。フラッシングを行うとエンジンが良い状態で保たれます。その結果、バイクの寿命の延長に繋がるのです。
また、定期的に行うと、不調の原因が汚れでは無いということも分かるため、一石二鳥のメリットがあります。
フラッシング専用のオイルとは?
フラッシングオイルは洗浄専用の溶剤です。内部に入れても問題が無いもののため、基本的には灯油などのオイルに近い成分だといわれています。
オイルをベースに、有機溶剤など、内部をキレイにする洗浄成分が含まれています。また、溶剤の種類が違えば、入っている成分も異なるため、購入時にはお店の方に一度尋ねてみると良いでしょう。
エンジンフラッシングの方法
ここでは、フラッシングの工程を分かりやすく解説します。基本的には4つの工程で作業は完了します。
- 古いオイルを取り除く
- フラッシングオイルを入れる
- エンジンを起動してアイドリング状態で放置する
- 新しいオイルを入れる
初めての方は難しく思うかもしれませんが、行う作業は非常に単純です。もちろんオイルを扱うため注意は必要ですが、慣れれば誰でもできる作業です。一つずつ解説していきます。
①エンジンオイルを取り除く
まずは、内部に残っている古いエンジンオイルを取り除きます。この際に、古いオイルが勢いよく出てくるため、オイルが飛んで汚れてもいい服で行うようにしましょう。
また、古いオイルは産業廃棄物扱いになるため、普通には捨てられません。専用の廃棄用のオイルパック等をあらかじめ用意しましょう。
②フラッシングオイルを入れる
次にフラッシングオイルを入れていきます。入れる際にはオイルレベルゲージのMAXのところまで入れるようにしてください。
入れる際にこぼさないように注意しましょう。私有地内で作業を行っていたとしても、もしも道路に流れてしまったら清掃が必要となります。
アスファルトなどに染み込んでしまったオイルはなかなか取り除けないため、オイルを注入する際は、こぼさないように注意してください。
③エンジンを起動しアイドリング状態で放置
フラッシングオイルを入れたらエンジンをかけ、アイドリング状態で放置します。時間は長すぎると良くないため15分を目安にしてください。
また、少し走行して、内部全体にオイルを循環させるのも良い方法です。どちらを行うにしても長すぎると傷つけてしまう恐れがあるため注意してください。
④新しいエンジンオイルを入れる
15分ほどのアイドリングを終えたら、今度はオイルをすべて取り除きます。勢いよく出てくる可能性があるため注意しましょう。
すべて取り除いたら、新しいオイルを注入していきます。エンジンオイルを交換するタイミングでフラッシングも行うため、オイルフィルターなどの交換も忘れずに行ってください。新品のオイルを規定量まで注入できましたら工程は完了です。
フラッシングオイルの代わりにエンジンオイルで行うこともできます。強力な洗浄力は期待できませんが、洗浄自体は可能です。同様の流れで作業が可能のため覚えておくと便利かもしれません。
エンジンフラッシングの注意点
内部洗浄はバイクの寿命を伸ばすために重要な作業ですが、どんなバイクにでも行ってよいわけではありません。ここでは、実際に作業を計画している方が注意すべきことをご紹介します。
- 必ずバイクの状態を確認する
- バイクショップにて適切なフラッシングオイルを購入する
- 無理はせずプロに依頼する
せっかく洗浄するのですから、愛車のためになるようにしっかりと注意事項を守って行うようにしましょう。
必ずバイクの状態を確認する
上記でもお伝えした通り、すべてのバイクでフラッシングを行って良いわけではありません。特にエンジンオイルの交換頻度が少ない車体に対しては注意が必要です。
例えば何万キロもオイルを交換していない内部は、汚れがヘドロ状に溜まっています。フラッシングを行えばこの汚れを取り除くことは可能ですが、汚れが大きいため内部で詰まってしまう恐れがあるのです。
もし、詰まった場所が悪ければオーバーホールが必要になる場合もあるため、注意が必要です。
バイクショップにて適切なフラッシングオイルを購入する
フラッシングオイルはそれぞれに適したものがあります。車体に合ったものを選ばなければ、故障の原因となる場合があります。また、フラッシングについては、内部の古いオイルを一旦すべて取り除いて行う場合がほとんどです。
初めて行う方は、店員さんに情報を確認できる実店舗での購入をおすすめします。
無理はせずプロに依頼する
当初は自分で洗浄するつもりでも、工具や溶剤を集める間に少しでも不安を感じたら、プロにお願いするべきです。
フラッシングは愛車に長期間乗れるようにするための作業です。ご自身で作業を行った結果オーバーホールが必要になったり、エンジンの不調が出たりしては元も子もありません。
プロに依頼する場合でも、エンジンオイルの交換とセットで5,000~6,000円ほどです。また、フラッシング剤自体も数千円ほどで購入が可能です。
まとめ
今回はバイクのエンジンフラッシングについて解説・紹介しました。愛車を長く安全に楽しむには必要不可欠なメンテナンスの一つです。専用の溶剤もあり、慣れれば気軽にだれでもできるメンテナンスでもあります。
内部の汚れを取り除く作業ですが、作業開始前にはいくつかの注意点があります。長期間エンジンオイルの交換を行っていない車体については、汚れが内部に詰まる可能性があるため注意が必要です。
フラッシングをしっかり理解して、愛車と長く一緒に過ごせるようにしていきましょう。