潤滑油

エンジンオイルのSAEとは?適切なオイルの選び方や間違えるポイントを解説!

エンジンオイル缶に「SAE」と表記されているのが気になったことはありませんか? オイル選びには欠かせないSAEですが、聞き慣れないため、あまり気に留めることはないかもしれません。

 この記事では、エンジンオイルとSAEの関係や選び方、間違えやすいポイントについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

エンジンオイルの「SAE」とは

エンジンオイルのSAEとは、オイルの粘度に関する統一規格のことです。 

粘度は、オイルの流動性や潤滑性を示す指標で、数字とアルファベットで表されます。 例えば、オイル缶などに表記されている「5W-30」や「10W-40」など。 

5Wや10Wは、低温時のオイル粘度指数を表し、Wはウインターを意味します。 ハイフンの後ろの数字、30や40は高温時のオイル粘度指数を示します。 

5W30
低温時の粘度指数ウインター高温時の粘度指数

エンジンオイルの規格の種類

エンジンオイルにはさまざまな規格があり、粘度を保証するSAE規格のほかに、潤滑性能や省燃費性能に関する規格も定められています。

 数ある規格の中から、一般的に多く用いられている規格を下記に3つ紹介していきます。

1.SAE規格

SAEはオイル粘度の分類を統一する規格で、マルチグレードが一般的です。 マルチグレードは「5W‐30」や「10W‐40」など、低温時から高温時まで幅広い温度域に対応しているのが特徴。 

一方、シングルグレードは「SAE 20」などと表記され、対応できる温度域が狭く季節によってオイル交換をしなければなりません。

2.API規格

API規格は、潤滑性・洗浄性・酸化安定性などの項目から分類された、オイルのグレードを示す規格です。 ガソリンエンジン車は「S」からはじまるSA〜SNグレードまで分類されており、SJ・SL・SM・SNが一般的。

 欧州では、同じようなグレード表記に「ACEA規格」が使われ、日本国内でも目にすることが多くなってきました。

3.ILSAC規格

ILSAC規格はAPI規格に準拠しますが、省燃費性能の評価が追加されているのが特徴です。 近年の車は、ハイブリッド車やアイドリングストップ車など、省燃費性能を向上させるべく低粘度化がすすんでいます。

 そのため、低粘度でも潤滑性能や密封性能などが高品質でなければならず、より厳しい基準を設けなければならなくなりました。

SAE粘度の選び方

エンジンオイル選びで大事なSAE粘度ですが、数字やアルファベットを見てもよくわからないのではないでしょうか。

間違ったSAE粘度を選択しないように、下記に代表的なSAEの選び方を2つ紹介します。

1.メーカー指定のSAE粘度で選ぶ

各自動車メーカーは、車の性能や特性に合った粘度やグレードのエンジンオイルを厳選しています。そのため、指定以外のエンジンオイルでは、本来の性能を発揮することができません。

特に、 極端に粘度の違うエンジンオイルはエンジンを傷つけ、破損させかねません。 メーカー推奨のSAE粘度を選択することがおすすめです。

2.走行距離で選ぶ

メーカー推奨のSAE粘度が最も推奨されますが、走行距離が増えてくればそうとも限りません。 走行距離が多くなれば、エンジンの隙間が増えて、エンジンオイルの消費が増えエンジンの出力が低下するからです。 

そのため、粘度の高いエンジンオイルで隙間を埋めるなど、メーカー指定以外の粘度を選択する場合もあります。

間違ったSAE粘度の選び方3選

SAE粘度は、マルチグレードであれば様々な数字が表記されているため、適切な粘度を選択できていないこともあります。下記に間違いがちなSAE粘度の選び方3つを解説しているので参考にしてみてください。 

  1. 数字の大きさで選んでいる
  2. 使用環境に合わないものを選んでいる
  3. 間違った情報で選んでいる

一つづつ解説していきます。

1.数字の大きさで選んでいる

SAE粘度の表記は数字で示されるため、数字の大きい方がオイルの性能が良いと思われがちです。 しかし、粘度の数値は低温~高温までの対応範囲を示しているため、数字の大きさだけでは判断できません。

使用状況や燃費性能の向上目的などで粘度を変える場合もありますが、基本的にはメーカー推奨のSAE粘度がおすすめです。

2.使用環境に合わないものを選んでいる

オイル粘度は、車を使用する状況や環境によって適切に選択しなければ、エンジンの性能を十分に発揮することはできません。 シビアコンディションで使用しているにもかかわらず、粘度の低いオイルでは油膜切れや潤滑不良になりかねません。

 適切に判断できない場合は、カーディーラーやカーショップなど、専門家に相談するのが良いでしょう。

3.間違った情報で選んでいる

省燃費性に優れているといった情報を鵜呑みにして、安易に低粘度のオイルをターボ車に使用すると故障のリスクが高まります。また、新車に粘度の高いオイルを使用すると抵抗が増え、燃費性能が低下することもあり得ます。

そのため、情報に惑わされずメーカー推奨の粘度を選択するか、カーディーラーなどに相談すると良いでしょう。

まとめ|エンジンオイルのSAE粘度はメーカー指定がベスト!

SAEはエンジンオイル粘度の規格ですが、車の特性や使用環境に合わせて適切に選ばなければなりません。適切なオイル選びによってメンテナンスコストを抑えられるため、メーカー推奨のオイル粘度のものを選びましょう。

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