潤滑油

エンジンオイルの粘度とは?車に合わせた選び方を解説!

初めてエンジンオイルを交換する方であれば、どれを選べばよいかわからない場合があるでしょう。オイル粘度の部分に「0W-20」などと表記されていても、どういう意味かわからない方もいるでしょう。この記事では、エンジンオイルの粘度とは何かや、車に合わせた選び方について解説します。

エンジンオイルの粘度

カー用品店に並んでいるエンジンオイルの容器には「0W-20」や「5W-30」などの表示がなされています。これはオイルの粘度を表す表示です。

粘度とは、液体の粘り気がどのくらいあるのかを表した指標です。オイルは粘度が高いほど「ドロドロ」しており、粘度が低いほど「サラサラ」しています。

気候などの周辺環境や車種によって適した粘度が異なるため、カー用品店にはさまざまな種類の商品が並べられています。

SAE規格

粘度表記の種類は1つだけではありません。一般的に使われる表記は「SAE規格」といわれています。SAE規格とは、アメリカ米国自動車協会が定める工業規格です。

表記には「SAE30」や「10W-40」のように、数字とアルファベットが用いられます。エンジンオイルはSAE規格の数字が大きいほどドロドロしており、数字が小さいほどサラサラしています。

マルチグレード

エンジンオイルには「マルチグレード」と呼ばれる種類があります。一般的なオイルは、温度によって粘度が変化する特性をもっているため、対応できる温度について記載する必要があります。

マルチグレードは、使用できる温度帯の幅が広いオイルです。季節や気候に関係なく、車のパフォーマンス維持につながるものとして知られています。

SAE規格に用いられる「W」は低温時の粘度です。「10W-50」などのように、左右の数字の差が大きいほど、幅広い温度帯に対応できます。最近では「0W-12」などの低粘度オイルの使用も増えつつあります。

シングルグレード

エンジンオイルには「シングルグレード」と呼ばれる種類もあります。「SAE30」のように、数字だけで表記されている点が特徴です。名前からわかるとおり、対応可能な温度帯が狭く設定されています。そのため、季節や気候に応じて交換する必要があるでしょう。

最近では、メーカーがマルチグレードのエンジンオイルを推奨するケースが増えているため、シングルグレードを使用する際は、推奨されている粘度に近い種類を選ぶことをおすすめします。

エンジンオイルの選び方

店頭には、さまざまな種類のエンジンオイルが並べられているため、どれにすればよいか迷う方もいるでしょう。選ぶうえで押さえておきたいポイントは、粘度・規格・ベースオイルの3つです。

それぞれの選び方について解説します。

粘度

粘度で選ぶ際は、メーカーが推奨しているタイプのものから探しましょう。推奨粘度は、車を購入した際についてくる「取扱説明書」に記載されています。

最近の国産車であれば、多くの車種で「0W-20」や「0W-16」などの低粘度オイルが推奨されているケースが多いでしょう。お店に行く前に、一度取扱説明書を確認してみてください。

規格

多くのエンジンオイルは、SAE規格のほかに「API規格」でも分類されています。API規格は、米国石油協会(API)とアメリカ材料試験協会(ASTM)、アメリカ自動車技術者協会(SAE)によって定められた規格です。エンジンオイルの性能を区分する規格のため、オイルにどのくらいの性能を求めるのかを考えながら選ぶとよいでしょう。

API規格よりも、適合要件のハードルが高い規格を「ILSAC規格」と呼びます。この規格に適合したエンジンオイルは、一般的なものと比べて省燃費性能などに優れています。

ベースオイル

ベースオイルとは、エンジンオイルの主成分となるオイルです。ベースオイルには、合成油・部分合成油・鉱物油などの種類があります。一般的には、合成油・部分合成油・鉱物油の順に性能が良いといわれています。とはいえ、鉱物油は価格が安いメリットがあるため、必要に応じて選ぶとよいでしょう。

粘度を変更してもよいのか

車種によって推奨されている粘度は異なりますが、推奨粘度以外の種類を使うとエンジンはどうなるのでしょうか。

例えば、基準値よりも高い粘度に換えると、低温時の粘度が上がるため、燃費が悪化する可能性があります。高温状態であれば、エンジンに悪影響を及ぼす可能性は低いといえるでしょう。

逆に、基準値よりも低い粘度に換えると、潤滑や保温効果が薄まり、エンジンの破損や不調の原因になります。低温時であれば、ほかのオイルよりもエンジン負荷を抑えながら走行可能です。

年式や走行距離を考えた粘度

車種ごとにメーカー推奨の粘度が決められているとはいえ、どんなときでも推奨粘度が適しているとは限りません。10万㎞程度走行した車のエンジン内部は、摩耗などにより部品同士の隙間が大きくなっている可能性があるでしょう。

走行距離が長い場合は、1つ上の粘度を利用するとよいかもしれません。「5W-30」であれば、1つ上の「5W-40」が適しているといわれています。粘度選びで不安な点がある場合は、業者の方に聞いてみるとよいでしょう。

まとめ|車にあった粘度を選ぼう

エンジンのパフォーマンスを上げ、車を長持ちさせるためには、車にあった粘度のエンジンオイルを使用する必要があります。オイル選びの際は、粘度以外にもAPI規格やベースオイルについても気にしてみるとよいかもしれません。

走行距離によって最適な粘度が変わるため、不安な点がある方はプロに聞いてみるとよいでしょう。

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