情勢コラム

原油高騰の原因とは?止まらない原油高騰の原因について解説

2022年、原油価格の高騰が世界的な問題として話題です。
原油高騰は、電気やガソリンの値上げの原因であり、私たち消費者も影響を受けています。

今回の記事では、原油高騰の原因をピックアップし、なぜ原油高騰が起きているのか解説します。

「原油高騰」がもたらす国や生活への影響とは?

原油高騰による私たちの生活や国への影響には、どのようなものがあるのでしょうか?
国の財政や個人の生活にまで影響を及ぼす原油高騰の原因について、詳しく解説します。

電気料金やガソリン価格などが高騰する

原油高騰は、電気料金の値上げや、ガソリン価格の高騰を引き起こします。
商品等の製造・輸送のコストも上昇し製品価格も高騰、結果として物価全体の値上がりに繋がります。

原油高騰は、私たち消費者にも大きな影響を与える問題といえるでしょう。

原油高騰が原因で、国内電気料金は3割も高騰

日本国内の電気料金は2021年から2022年にかけ、平均して約3割も高騰しています。

日本国内の主要となる10社の電力会社は、2021年4〜12月期決算を迎え、翌年2022年1月末の時点で、10社のうち6社が2022年3月期を赤字として見通しを立てました。
参照元URL:日本の電気料金3兆~5兆円増も ウクライナ危機でエネルギー高騰

ロシアのウクライナ侵攻の影響も重なり、各電力会社のコストは今後も増えるとも予想されています。

ガソリン価格は全国平均で1リットル170台まで高騰

原油高騰が原因で、日本の全国平均ガソリン価格は、約13年ぶりとなる1L/170円を超える高値となりました。

このガソリン価格は次の方法で算出されます。
まず、ガソリン価格の大部分を占めるのが「原油価格」です。
原油価格と精製コストから「本体価格」が算出されます。この本体価格をベースに以下の税金がプラスされます。

  • ガソリン税
  • 石油石炭税
  • 消費税

ガソリンスタンドで販売するガソリン価格は、「本体価格」に「各種税金」をプラスした金額を基準に、各ガソリンスタンドが独自で決定します。

そのほかに、製油所からガソリンスタンドまでの輸送距離や、自社店舗の近くに他社競合店が存在するかなども店頭のガソリン価格に影響します。

とはいえ、価格を大きく左右するのは、大部分を占める「原油価格」です。
つまり、原油価格の高騰がガソリン価格高騰の一番の要因なのです。

止まらない原油高騰の影に潜む原因を暴く

いま世界で起きている原油の高騰は、さまざまな原因が重なり原油の高騰を引き起こしています。次のセクションでは、原油高騰の引き金となり得る、3つの原因について解説します。

原油の需要が急激に上昇、しかし増産が間に合わない

石油輸出国機構(OPEC)加盟国と、ロシアなど非加盟国が2016年12月に設立した「OPECプラス」は、2020年に合意した世界の石油の全需要10%に当たる日量1000万バレルの減産規模を、今は徐々に縮小しています。

現在は目標の日量40万バレル到達のために、日々増産しています。しかしながら、多くの産油国は増産する余力がないため、目標とする増産量に届いていないのが現状です。

このように目標増産量に、石油の増産が追いついていないのが、原油高騰の原因の一つといえるでしょう。

AIプログラムが、原油高騰の原因に関係している

原油高騰は、AIプログラムによる先物取引の自動化が原因とも言われています。

2016年の調査時点では、全体の65%を占めるエネルギーの先物取引が、AIによる入力で取引されていました。しかし、3年後の2019年になると、全体の80%がAIによるエネルギーの先物取引となりました。

AIプログラムによる先物取引の自動化は、AIが自動的に原油市場を分析するため、原油価格が高騰すると、同調圧力により原油市場の乱高下を招きます。

2022年現在では、さらに多くのAIによる自動取引が行われています。AIによる自動取引の増加は、原油価格を不安定にする原因の一つといえるでしょう。
参照元URL:原油価格高騰の陰にAIあり

ロシアのウクライナ侵攻が、原油高騰の原因に

ロシアによるウクライナ侵攻が、商品市況(コモディティマーケット)を狂わせてしまい、原油高騰の原因に繋がっています。

上記原因をきっかけに、2022年3月上旬に、原油価格が約14年前の2008年と同じ1バレル100ドルを上回るまで高騰しました。

原油価格の高騰の影響を受けて、海外から輸入する穀物などの輸入価格も高騰。輸入価格の高騰で、スーパーなどで販売している農作物の価格も高騰し、私たち消費者の日常生活にまで影響を及ぼすようになりました。

まとめ

電気料金やガソリン価格、さらには農作物まで高騰するなど、原油高騰の影響は世界規模で広がっています。

今もなお苦しい生活を強いられていますが、OPECプラスが石油の生産を日々増産し、産油国が一致団結して石油の増産をしています。

石油の供給が安定して原油高騰が止まるまで、今の生活を守り抜き、明るい未来が来るのを祈りましょう。

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