エンジンをかけたときやアイドリング中に「普段と違う音がする」と感じたことはありませんか?実は、こうした異音の背景にはエンジンオイルの劣化や不足が隠れている場合があります。オイルが古くなると潤滑が弱まり、金属部品同士がこすれ合い異音が発生しやすくなるためです。
この記事では、エンジンオイルとエンジン音の関係や、静かなエンジンを保つためのポイントを解説します。
目次
エンジン音がうるさくなる原因

エンジン音がうるさくなってしまうのには、さまざまな原因が考えられます。例えば、「エンジンオイルの劣化や不足」「ベルト類の劣化や緩み」「外的要因」です。それぞれ詳しく解説します。
エンジンオイルの劣化や不足
エンジンオイルが劣化や不足した場合は、「カタカタ」や「カラカラ」といった金属音や摩擦音が発生します。これらの音は「タペット音」と呼ばれ、エンジンを動かしたときに部品同士がぶつかった音です。
エンジンオイルは劣化したり不足したりすると、エンジン内の潤滑性能が下がってしまいます。そして、エンジンを滑らかに動かすことができなくなると、エンジンの故障のリスクが高まるため、早期の対策が必要になります。
ベルト類の劣化や緩み
「キュルキュル」という高音の異音がする際は、ベルト類の劣化や緩みが示唆されます。特に、エンジン始動時に発生する音は、近くを歩いている歩行者でも気づくほどの大きな音になるのが特徴です。
多くの車種でエンジンにはファンベルトやタイミングベルトというゴム製のベルトを使用しています。このベルトがエンジンの動力をそのほかの部品へ伝えるプーリーとの間で滑り音が発生します。そのため、ゴム製のベルトは、雨に濡れた時や寒い日にベルトが硬直していると、音が発生しやすくなります。
外的要因
エンジンの異音は、エンジンの故障以外にも外的要因が存在します。例えば、車のエンジンルームから動物の鳴き声がする場合です。
エンジンルームは雨を防げる点や寒さをしのげる点から動物が入り込みやすい場所だといえます。エンジンを始動してしまうと巻き込んでしまう恐れがあるため、対策が必要です。詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてください。
関連記事:エンジンルームの動物侵入対策!その理由や適切な時期もくわしく解説
オイルが原因でエンジンからの異音がする場合の対処方法

タペット音がしてオイルが原因でエンジンから異音がするとわかっている場合は、すぐに適切なオイルに交換することが重要です。劣化したオイルを排出し、不足しているオイルを追加できます。
カタカタとしたメカノイズが気になる場合は、粘度の高いオイルに変更することで音が和らぐ場合があります。また、オイル交換時に粘度増強剤などの添加剤を利用する方法もありますが、根本的な解決にはなりません。
エンジンの不調を防ぐためには、定期的なオイル交換が重要です。走行距離1万5,000kmまたは1年ごとに行うのが目安といえます。愛車を長持ちさせたい方は、交換時期に注目しましょう。
オイルの粘度と音の関係

エンジンオイルの粘度は、潤滑性能に関連するため音とも関係します。例えば、0W-20のオイルと5W-30のオイルを入れた車の音を比較すると、5W-30のほうが音が小さくなります。なぜなら、音が小さくなる5W-30は0W-20と比較すると粘度が高く、エンジンで発生する衝撃を吸収する力が強いためです。
ただし、オイルに含まれている成分によって粘度と音の関係は一概には言えません。また、粘度を上げてもすべての異音が解消するわけではなく、異音の原因によってはほかの部品の点検が必要です。
オイル交換をしても異音が発生する場合

エンジンオイルを交換しても異音が発生している場合は、どのように車のメンテナンスをすればよいのでしょうか。ここでは、2つの段階に分けて解説します。
エンジンオイル以外の原因を解消する
異音の原因はエンジンオイル以外にも多くあります。例えばタイミングベルトやファンベルトの劣化・緩み、エンジン内部部品の摩耗、オイルラインの詰まりなどが原因です。
これらの要因で音が発生している場合、オイル交換だけでは解決できません。異音が続く場合は、ベルト類や各部品の状態を点検し、必要に応じて修理や部品交換を行います。
整備工場やディーラーで見てもらう
自分で原因が特定できない場合や異音が解消しない場合は、できるだけ早く整備工場やディーラーに相談しましょう。プロによる総合的な点検で根本原因を正確に診断してもらえます。
特に、ディーラーは特定の車種に強いため、早期解決を目指すならおすすめです。飛び込みで依頼ができない可能性もあるため、事前に連絡しておくとスムーズでしょう。
まとめ|車のオイルとエンジン音には関係がある!原因を解消して愛車を守ろう

エンジンから異音がする際は、エンジンオイルの劣化が関係している場合もあります。エンジンオイルが劣化したり不足したりしている場合は、「ゴロゴロ」や「カラカラ」といったタペット音が発生するでしょう。
エンジンオイルの不足や劣化だけでなく、ベルト類の劣化や緩み、外的要因も存在します。異音がしたら、整備工場やディーラーでプロに見てもらうのがおすすめです。