優れた走行性能で人気の高いN-BOXですが、エンジンオイルの選び方に迷われていないでしょうか。実は、適切なエンジンオイルを選ぶだけで、N-BOX本来のポテンシャルが存分に発揮されます。
この記事では、N-BOXの性能を引き出すためのオイル選びや交換のタイミングなど、オーナー必見の情報を解説します。愛車をベストな状態に保ち、快適なドライブを楽しみましょう。
目次
N-BOXのエンジン特性と車体構造

N-BOXは、ホンダの軽自動車でも特に人気の高いスーパーハイトワゴン車です。燃費や走行性能の良さに定評のあるN-BOXの特徴を3つ紹介します。
ロングストローク化による効果
N-BOXのエンジンは、2代目モデル以降から燃費性能を高めるため、ロングストローク化されています。ロングストローク化は、ピストンの上下動する距離を長くすることで、燃費と熱効率を向上させるのが目的です。
ただ、ピストンの可動域が増える分、高回転域では過大な負荷や振動が増えるため、高回転・高出力には不向きとされています。
i-VTECの働き
N-BOXは、ホンダの軽自動車では初搭載となるi-VTECが採用されています。
i-VTECとは、エンジン回転数や負荷に応じて、エンジンに吸い込む混合気の量やタイミングを調整している機構です。i-VTECの働きにより、ロングストロークの苦手とする高回転域をカバーし、高出力と低燃費を両立しています。
軽量・高剛性ボディによる影響
ボディの軽量化は燃費に大きく影響します。特に、軽自動車は小さな排気量で大きいボディを動かすため、効果は顕著です。
なお、3代目N-BOXは、先代N-BOXと比較して、車両重量を約80kg軽量化しています。ただ軽量化をするだけではなく、安全性を確保するため、高張力鋼板をふんだんに使用するなどしてボディ剛性を高めています。
N-BOXのエンジンオイル選択基準

N-BOXはエンジンを改良して燃費性能を向上させているため、エンジン特性に合わせたオイル選びが大事です。まずは、エンジンオイルの基本的な選び方を下記より3つ紹介します。
エンジンや条件にマッチした粘度を選ぶ
エンジンオイルを選ぶ際に重要なのは、オイルの「粘度」です。粘度とは、オイルの柔らかさを表す指標です。例えば、サラサラなオイルは「粘度が低い」、ドロドロなオイルは「粘度が高い」などと表現されます。
粘度は、エンジンの特性や使用条件などによって適切に選ばなければなりません。メーカーが推奨する粘度、車の取扱説明書に記載されている粘度のオイルを選びましょう。
関連記事:エンジンオイルの粘度一覧をチェック!愛車に合う商品を選ぼう
オイルの性能を左右するベースオイルで選ぶ
ベースオイルは、エンジンオイルの80〜90%を占め、オイルの性能に大きく影響します。ベースオイルは大まかに分類すると以下の3つです。
- 鉱物油
- 部分合成油
- 化学合成油
鉱物油はコストパフォーマンスに優れ、化学合成油は高性能だが高価格など、それぞれに性質や特徴が異なります。性能とコストのバランスを考慮して選択するとよいでしょう。
品質を保証する規格で選ぶ
エンジンオイルを選ぶ際のチェックポイントとなる、品質や性能を表すのが「規格」です。
規格は、米国石油協会や日本自動車技術会、日米の自動車工業会などが厳正なる試験結果に基づいて制定したものです。主に、「API規格」「ILSAC規格」「JASO規格」で表記されています。取扱説明書やオイル缶に表記されているため、確認しましょう。
N-BOXのオイル選びで後悔しないための注意点

N-BOXは、エンジンオイルの選び方によって、性能が左右されるため注意が必要です。以下より、N-BOXのオイル選びで、やってはいけないことを2つ紹介します。
粘度の硬いオイルを選ばない
N-BOXには、粘度の硬いエンジンオイルを選ばないようにしましょう。
N-BOXは、燃費向上につながるアイドリングストップ機構を搭載しているため、エンジン温度が上がりづらい特性があります。そのため、低温時の始動性や潤滑性に優れる低粘度のオイルが望ましいでしょう。また、i-VTECの採用で複雑かつ金属部品が多くなったエンジン内部の摩擦低減にも、低粘度オイルが効果を発揮します。
安易に低価格オイルを選ばない
低燃費と高出力の両極端な性能を両立させているN-BOXには、低価格のオイルを選ばないほうがよいでしょう。
低価格のオイルは、ベースオイルに鉱物油が使われているケースが多く、低温始動性や耐熱性、耐酸性に劣る可能性があります。また、低価格のオイルは劣化しやすく交換頻度が多くなりがちなため、メンテナンスコストの面でもおすすめできません。
推奨されるN-BOXのエンジンオイル交換サイクル

N-BOXのエンジンオイル交換時期の目安は下表のとおりです。
| 通常走行 | シビアコンディション | |
| ノンターボ車 | 10,000㎞または12ヶ月 | 5,000㎞または6ヶ月 |
| ターボ車 | 5,000㎞または6ヶ月 | ー |
シビアコンディションとは、走行距離が多い、チョイ乗りが多い、悪路走行や登坂路走行が多いなど、厳しい条件下で使用される状態を差します。
上表は、あくまでも目安の交換時期を示すものです。定期的なメンテナンスで、オイルの汚れ具合をディーラーやカー用品店の整備士にチェックしてもらいましょう。
まとめ|N-BOXには粘度の低いエンジンオイルが効果的

適切なエンジンオイル選びは、N-BOXの性能を最大限に引き出すために欠かせない要素の一つです。燃費性能と走行性能を両立するエンジンを搭載したN-BOXは、低粘度オイルを選択するとよいでしょう。
走行距離が多い場合や年式が古くなってきた場合は、ディーラーやカー用品店の整備士からアドバイスを受け選び直してみましょう。