潤滑油

ガソリンエンジンにディーゼル用のオイルを入れるとどうなる?

ガソリンエンジンを搭載している車にディーゼルエンジン用のエンジンオイルを入れるとどうなるか、気になる方もいるのではないでしょうか。今手元にでぃぜるエンジン用のオイルしかなければ「代用できるのではないか?」と思うかもしれません。

そこで本記事ではディーゼルエンジン用のエンジンオイルを入れるとどうなるのか解説します。

併せてガソリンエンジン用のエンジンオイルとディーゼルエンジン用のエンジンの違いも紹介するので、最適なエンジンオイルを選べるようになりたい方は必見です。

ガソリンエンジンにディーゼルエンジン用のオイルを入れると?

結論から述べると、ガソリンエンジンにディーゼルエンジン用のオイルを入れても壊れません。古いガソリンエンジンにはディーゼルエンジン用のオイルを入れるとよいとの意見もあります。

しかし、この意見には根拠がありません。やはりガソリンエンジン用のオイルはガソリンエンジンに最適なものとなっているため、ガソリンエンジン用のものを入れた方がよいでしょう。

特に、ディーゼルエンジンは回転数が低い傾向があるため、ガソリンエンジンを高回転で回すのであれば、代用しない方がよいといえます。

ガソリンディーゼル兼用のエンジンオイルも存在する

エンジンオイルには、ガソリンディーゼル兼用のオイルも存在します。兼用のオイルであればガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでも問題なく使用できます。

兼用のオイルには「CF/SL」などと表記されており、表記の順番によってガソリンエンジンメインで作られたオイルかディーゼルエンジンメインで作られたオイルかわかるのです。

「C」から始まる規格はディーゼルエンジン用、「S」から始まる規格はガソリンエンジン用なので、最初にどちらが表記されているか確認しましょう。例えば、「CF/SL」ならディーゼルエンジンをメインに、「SL/CF」ならガソリンエンジンをメインに作られています。

そもそもエンジンオイルにはどのような役割がある?

エンジンオイルには主に、以下5つの役割があります。

  • 潤滑させる役割
  • 隙間を埋める役割
  • エンジンを冷やす役割
  • 汚れを洗浄する役割
  • 錆を防ぐ役割

なぜエンジンオイルが必要か理解するために確認しておきましょう。

潤滑させる役割

エンジンは金属でできているため、ピストンなどが回転すると、焼き付いたり摩耗したりします。エンジンオイルは金属同士を潤滑させる役割があるため、焼き付きや摩耗を防ぐのです。

適切なエンジンオイルを使わずに潤滑させる機能がうまく働かなくなると、エンジンの故障につながります。それゆえに、エンジンオイルは車に合ったものを選ばなければならないのです。

隙間を埋める役割

エンジンは金属で作られているため、わずかな隙間が存在します。その隙間を埋める役割がエンジンオイルにはあるのです。

部品の間に隙間があれば、せっかくエンジン内で作られたエネルギーが逃げてしまい、本来の性能を発揮できません。特に、古いエンジンになればなるほど摩耗して隙間があいている可能性があります。

エンジンを冷やす役割

エンジンは、回転すると高温になります。この熱でオーバーヒートしないよう、エンジンを冷やす役割があるのです。

オーバーヒートするとエンジンを載せ替えなければならない可能性もあり、多額の出費になるかもしれません。

高温になる管を流れ、各部分の熱を吸収し、高温になったエンジンオイルはオイルパンで冷やされます。そのあとエンジン内部を流れ、継続的にエンジンを冷やすのです。

汚れを洗浄する役割

エンジン内では燃焼などによって燃えカスなどの汚れがでます。汚れが溜まると故障につながるため、エンジンオイルで洗浄するのです。

エンジンが汚れると性能をはっきりできないのみならず、悪化すると故障を引き起こします。ただし、エンジンオイルの洗浄機能には限界があるため、こまめなオイル交換が大切です。

錆を防ぐ役割

エンジン内はとても高音になるため、外気との温度差により、水が発生するケースもあります。

そのため、金属でできているエンジンは水分と反応し、錆が発生する恐れもあるのです。発生した錆はエンジンの故障を引き起こします。

そこで、エンジンオイルは金属に膜を張り、錆を防ぐ役割もあるのです。

ガソリンエンジン用オイルとディーゼルエンジン用オイルの違い

ガソリンエンジン用のオイルもディーゼルエンジン用のオイルも、基本的な役割は紹介した通りです。しかし、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンではそもそも仕組みが違うため、エンジンオイルの役割も少し異なります。

ディーゼルエンジンではガソリンエンジンと違い、燃焼する際に硫黄酸化物が発生します。そのため、ディーゼルエンジン用のオイルには、発生した硫黄酸化物を中和する役割があるのです。

ゆえに、硫黄酸化物を中和するためのアルカリ成分がディーゼルエンジン用のオイルには多く含まれています。

ディーゼルエンジンにガソリンエンジン用のオイルを入れると?

では、反対にディーゼルエンジンにガソリンエンジン用のオイルを入れるとどうなるのでしょうか。

ガソリンエンジンにはディーゼルエンジン用のオイルを入れても問題ありませんでしたが、ディーゼルエンジンにガソリンエンジン用のオイルを入れると故障の原因になります。なぜなら硫黄酸化物を中和しきれなくなり、エンジン内部に残ってしまうからです。

そのため、ディーゼルエンジンにはきちんと適合したオイルを使いましょう。

まとめ:ガソリンエンジンにはディーゼル用オイルを入れても問題ない

ガソリンエンジンにはディーゼル用のエンジンオイルを入れても、故障の原因にはなりません。

しかし、エンジンオイルはとても大切な役割を担っています。そのため、性能を十分に発揮するためにも、ガソリンエンジンにはその特徴に合ったエンジンオイルを使うとよいでしょう。

そうすれば本来の性能を最大限に発揮できるはずです。

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