ベンツに乗っている方であれば、愛車を長持ちさせるためにも、車を適切なコンディションに保ちたいと思うでしょう。エンジンオイルの交換は、車の不具合や故障を防ぐために必要です。
それぞれのベンツに合ったエンジンオイルがあるため、オイル選びのポイントを押さえることは大切です。
この記事では、エンジンオイルの役割や、交換時期、交換方法、オイル選びのポイントについて解説します。
目次
エンジンオイルの役割
「オイル」と聞くと多くの方は、物体同士の滑りを良くする「潤滑作用」を思い浮かべるかもしれません。しかし、エンジンオイルは、エンジン内部の見えない部分で、潤滑・密封・防錆・冷却・洗浄の5つの役割を果たします。
それぞれの役割については、以下で解説します。
潤滑
前述したとおり、エンジンオイルは「潤滑」の役割を持ちます。車が走行する際「クランクシャフト」や「カムシャフト」と呼ばれる部品が1分間に数百〜数千回転します。潤滑作用は、高速回転する金属同士の摩耗を軽減する効果があるのです。
密封
密封とは、空気などの気体が隙間から漏れないように、厳重に封をすることを指して使われる言葉です。エンジン内部における密封作用は、エンジンのパワーロスの軽減に繋がります。
シリンダーとピストンの間に発生する隙間をオイルで埋め、圧縮や爆発による圧力を効率よく動力に変換する役割があるのです。
防錆
多くの金属は、空気や水分に触れ続けると錆ついていきます。金属パーツに付着したオイルは油膜を形成し、金属パーツを空気や水分から守る役割があるのです。
冷却
走行する車のエンジン内部では、常に熱が発生し続けます。熱が内部に溜まり続けると「焼き付き」などが発生し、故障につながる危険性があります。エンジンオイルは、エンジン内部で循環する際に熱を外部に運び、冷却を行っているのです。
洗浄
エンジンオイルの潤滑作用があるとしても、金属粉やスラッジと呼ばれるオイルの燃えカスの発生を完全に抑えることはできません。
エンジンオイルには、ピストンの運動などで発生した汚れを分散し、特定の場所に溜まらないようにする効果があります。
オイル交換の必要性
エンジンオイルの交換を怠ると、上記で解説した5つの役割の効果が損なわれてしまいます。
結果、燃費の悪化・加速不良・騒音などの問題に悩まされるだけでなく、オイル漏れ・異音・焼き付きなどの「予期せぬ故障」のリスクが上昇してしまうのです。そのため、トータルコストを考えると定期的にオイル交換を行う必要があるのです。
オイル交換の目的
オイル交換では、汚れたオイルから新品のものに交換し、オイル性能の回復を行います。また、汚れたオイルを取り出す際に、ピストンの駆動などによって生じた金属粉やスラッジを排出し、エンジン内部の環境を整えることができるのです。
ベンツのオイル交換時期
ベンツのオイルは、走行距離にして10,000㎞ごとの交換が推奨されています。とはいえ、ベンツなどの輸入車にとって、日本の気候や交通状況は世界の中でもシビアといわれているため、早めの交換が必要になるケースがあるでしょう。
例えば、渋滞によるノロノロ走行は、オイルが油膜形成をしにくい走り方です。油膜が薄くなると金属同士の摩耗が進行するため、エンジンを傷つけてしまう可能性が上がるのです。
10,000㎞ごとの交換が推奨されているとはいえ、以下の乗り方をする方は、早めのオイル交換を検討するとよいでしょう。
- エンジンが温まりきらない短距離走行が多い
- 渋滞などで発進・停止を頻繁に繰り返す
- 高温多湿の環境下での走行
- 低速走行
- 運転頻度が少ない
エンジンのコンディションを万全に保ちたいと思う場合、5,000㎞ごとのオイル交換を行えば、故障などのトラブルが発生しにくいでしょう。
ベンツのオイル交換方法と費用
ベンツのオイル交換には、さまざまな方法があります。自分で行うことも可能ですが、プロに任せることもひとつの方法です。方法ごとにかかる費用が変わるため、それぞれの特徴について以下で解説します。
ディーラーに依頼
オイル交換で一番安心できる依頼先は「ディーラー」です。特に、ベンツの中でもオイルにシビアな「クリーンディーゼル車」は、交換するオイルを誤ると大掛かりな修理が必要になるケースがあります。
最新のベンツであれば、オイル交換に20,000～30,000円程度かかりますが、リスクを最小限に抑えたいのであれば、ディーラーに依頼するほうがよいでしょう。
ガソリンスタンド・カー用品店に依頼
ガソリンスタンド・カー用品店にオイル交換を依頼する方法もあります。依頼する際は、まずベンツを取り扱っている店舗を探しましょう。交換費用は8,000～20,000円程度といわれています。
自分で行う
上記で解説した依頼では「料金が高過ぎる」と感じる方がいるかもしれません。自分で交換を行うと、ディーラーに依頼する場合よりも費用を2～3割程度軽減できます。とはいえ、オイルの選び方や交換作業には注意が必要なため、よく調べてから行いましょう。
ベンツに使うエンジンオイル選びのポイント
エンジンオイルが入っている缶には、「10Ｗ‐40」のように粘度を示す数字が記載されています。それぞれエンジンには適切な粘度があるため、指定粘度以外のオイルを入れると思わぬトラブルに発展してしまうケースがあるでしょう。
例えば、古めの車に基準以下の低粘度オイルを入れると、オイル漏れが発生する可能性があります。選ぶ際は、承認されているエンジンオイルの中から決めるようにしましょう。
まとめ：ベンツの乗り方や気候を考慮したオイル交換を心がけましょう
ベンツのエンジンオイルには、潤滑・密封・防錆・冷却・洗浄などの役割があります。オイル交換を怠ると、燃費の悪化や騒音の原因になります。
オイル交換は、ディーラーやガソリンスタンドなどに依頼できますが、自分で行うことも可能です。オイル選びの際は、指定された粘度のものを使用するようにしましょう。