潤滑油

【もしかしたら過走行車かも】症状を直すにはエンジンオイルの粘度が重要

「最近車の調子が悪くなったな」と感じている方はいませんか?愛車の走行距離が長ければ、過走行が原因かもしれません。過走行車は、エンジンオイルの粘度を調整することで、症状が直る可能性があります。

この記事では、過走行車のエンジンオイルの粘度について解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

そもそも過走行車とはどんな状態の車?

過走行車とは、その名のとおり「走行距離が長い車」を指します。過走行車と呼ばれる明確な基準は決められていませんが、年間の走行距離が10万kmを超えた車を指す場合が多いようです。

走行距離が長くなれば、車体の部品の劣化が進んだり、消耗が激しくなったりします。具体的に次のような症状が見られるなら、過走行車の可能性があります。

  • エンジンのかかりが悪い
  • 走行時の振動や音が大きい
  • マフラーから白い煙が出る
  • オイル漏れが見られる
  • 走行時のパワーダウンが目立つ

上記のような症状が見られるからといって、すぐに車が故障するわけではありません。部品やエンジンオイルを交換すれば、これからも愛車と一緒に走り続けられます。

しかし、エンジンオイルを交換する際は、粘度に注意を払うと良いでしょう。詳しくは次項で解説します。

結論 | 過走行車はエンジンオイルの粘度を上げた方がいい

過走行車のエンジンオイルを交換する際は、粘度の高い物を使用すると良いでしょう。基本的にエンジンオイルを選ぶ際は、メーカーが車種ごとに奨励している粘度を選びます。

しかし、過走行車や作られてから長い時間が経過している経年車は、そうとは限りません。メーカーの奨励している粘度は、新車の場合を想定しているからです。

人間が身体の健康や年齢に合わせて食べる物を調整するように、車もエンジンオイルの粘度を調整しなくてはなりません。

粘度が高ければ、オイルの粘性が高くなります。過走行車は、消耗によって部品間の隙間が大きくなり、パワーの低下・振動や音が出る・エンジンオイルが減る、などの症状が表れます。

さまざまな症状の原因である隙間をエンジンオイルで埋めるために、高い粘度がおすすめされているのです。

エンジンオイルにはどのような役割がある?

隙間を埋めてくれるエンジンオイルですが、そもそもどのような役割があるのでしょうか?具体的には次の4つです。

  1. エンジン内部の清潔さを保つ
  2. 稼働時のエンジンの湿度を冷ます
  3. 空気に触れさせないことで錆から守る
  4. 隙間を無くしてパワーロスを防ぐ

エンジンオイルを交換する前に、ぜひ確認してみてください。

エンジン内部の清潔さを保つ

車のエンジンは、部品の回転やガソリンの燃焼により、スラッジ(汚れ)が蓄積されます。スラッジがエンジン内部に溜まれば、走行性能を低下させるだけでなく、エンジンの寿命が短くなることもあります。

エンジンオイルは、特定の箇所にスラッジが溜まるのを防ぐ役割があるのです。交換時に黒いエンジンオイルが出てくるのは、スラッジを吸収しているからです。

稼働時のエンジンの温度を冷ます

走行時はエンジンが激しく稼働し、燃料を燃やすため、エンジンの各部分は高温になります。温度が上がり過ぎればオーバーヒートを起こし、正常な走行ができなくなることも珍しくありません。

エンジンオイルは、各エンジンを巡り熱を吸収しています。熱くなったエンジンオイルは、オイルパンを経由することで冷却可能です。冷却されたエンジンオイルは再び各エンジンを巡り、温度を下げる役割があります。

空気に触れさせないことで錆から守る

エンジン内部は非常に高温になるため、外との温度差によって水分が発生しやすくなります。水分が発生すればエンジンに錆が発生し、性能や寿命の低下に繋がる可能性も。

エンジンオイルは、錆の発生を防ぐ役割を担っています。エンジンオイルは油膜が厚いため、空気を遮断可能です。

隙間を無くしてパワーロスを防ぐ

車の各部品はピストン運動など、動く必要があるため、部品間にわずかな隙間があります。エンジンオイルの粘度が低くて気密性が不十分なら、エネルギーが隙間から逃げてしまいます。

その結果、走行時のパワーダウンに繋がるのです。また、ガソリンがエンジン内部に漏れることで、エンジンオイルが希釈され、オイルの劣化にも繋がる可能性もあります。

エンジンオイルは粘性があるため、部品間の隙間を埋めて気密性を高める役割も担っているのです。

ただし一気に粘度を上げてはいけない

過走行車はエンジンオイルの粘度を高くすれば症状が直る可能性があります。しかし、高粘度過ぎるエンジンオイルの使用も注意が必要です。

粘度が高ければ隙間を埋めるための油膜が厚くなりますが、車の熱が足りなければオイルが硬くなり、期待していた性能を発揮できない可能性があります。

エンジンオイルが硬ければ、始動性も下がるため、今使用している物から大きく粘度を変えない方が良いでしょう。

メーカーの奨励しているエンジンオイルが「5W-30」なら「5W-40」に交換するなど、少しずつ調整しましょう。車によって状態は異なるため、より詳しいエンジンオイルの粘度については、整備工場などに相談してみてください。

まとめ | 過走行車は粘度を上げると長持ちすることも

「最近車の調子が悪いな」と感じている方は、もしかしたら過走行が原因かもしれません。過走行が原因なら、エンジンオイルの粘度を高くしてみてください。

エンジンオイルの粘度を高めれば、エンジンの各部品の隙間を防いでくれるため、症状が直る可能性があります。ただし、一気に粘度を上げれば油膜が厚すぎることが原因で新たな問題が発生することもあるため、少しずつ調整しましょう。

関連記事

TOP