車で走行中、突然メーター内でエンジンオイルの異常を知らせる警告灯が点灯した経験はありませんか。この警告灯は、主にオイル不足やオイルポンプの故障などが原因で点灯します。放置すると深刻なエンジン故障につながり、走行不能となるため危険です。
この記事では、車のオイルが少ないときにできる対処法を解説します。また、オイル不足によるトラブルや原因についても紹介しています。ぜひ最後までお読みいただき、安全安心なカーライフにお役立てください。
目次
車のオイルが少ないときにできる対処法3ステップ

万が一、オイルの警告灯が表示されたときは、以下の3ステップで対応しましょう。愛車からのSOSを見逃さず、慌てず対応するための参考にしてください。
ステップ1. 安全な場所に停車する
オイル警告灯が点灯もしくは点滅したら、すぐに平坦で安全な場所に車を停車し、エンジンを止めてください。
オイル不足でエンジンやマフラーが高温となり引火の恐れもあるため、草むらや枯れ草が多い場所への停車は避けましょう。一般道では商業施設の駐車場や道路脇、高速道路であればサービスエリアや非常駐車帯に停めるのがおすすめです。
ステップ2. オイルを継ぎ足す
オイル量を点検し、規定量まで補充しましょう。ボンネットを開けてオイルレベルゲージを確認し、規定位置にオイルが付いていなければ補充が必要です。近くのホームセンターやガソリンスタンドなどで、補充やオイル交換の対応をしてもらいましょう。
オイルの量が正常範囲内の場合、油圧不足や油圧センサーの故障など重大なトラブルが考えられます。行きつけのディーラーや整備工場、もしくはロードサービスに連絡してください。
ステップ3. オイル不足の原因をプロに確認してもらう
オイルの補充は、あくまでも応急措置です。なぜオイル不足に至ったのか、その原因を調べなければなりません。定期的にオイル交換を行い、普通に走行していればオイルが異常に減る事態にはならないからです。
オイル不足の原因を調べるには専門的な知識が必要なため、ディーラーやカーショップなどに相談してみましょう。
エンジン性能を維持するオイルの5つの役割

エンジンオイルは、下表の作用により車の性能を最大限に発揮する役割があります。
作用 | 内容 |
潤滑作用 | エンジン内部の金属部品に油膜を形成し、摩擦を防ぐ |
洗浄作用 | エンジン内部の汚れや金属粉を吸着し洗い流す |
冷却作用 | エンジン内部の温度を下げてオーバーヒートを防ぐ |
密封作用 | エンジン内部の隙間を埋めて、燃焼ガスの漏れを防ぐ |
防錆作用 | エンジン内部の金属部品を錆や腐食から保護する |
オイル不足は、オイル本来の役割が十分に機能しないため、エンジンの性能を著しく低下させます。
オイル不足がもたらすトラブル3選

以下より、車のオイル不足がもたらすトラブル例を3つ紹介します。
トラブル例1. 加速不良や燃費の悪化
オイル不足になると、エンジンは本来のパフォーマンスが十分に発揮できず、車の走行性能が低下します。
特に、加速時にはエンジンがスムーズに回転しないため加速不良となり、必要以上にアクセルを踏み込まなければなりません。その結果、燃料消費量が増えて燃費が悪化するほか、密封作用が弱まり気密性が保てず、エンジン出力が低下します。
トラブル例2. 騒音や振動が大きくなる
オイル不足は、エンジン内部の金属部品に十分な油膜を形成しづらくなり、騒音や振動の原因となります。
本来、オイルは金属部品に油膜を形成し、部品同士の摩擦を減らしてスムーズに動くための役割を担っています。しかし、オイルが不足すると部品同士が直接擦れ合うため、騒音が大きくなり、やがて振動が出始めるでしょう。
トラブル例3. エンジンの過熱や故障
オイル不足を放置すると、金属部品同士の摩擦が増えて熱を持ち、やがてオーバーヒートや焼き付きの原因となります。なぜなら、オイルの潤滑・冷却作用が十分に果たせなくなるためです。さらに、洗浄作用も低下して油路が詰まり、結果としてエンジンが高温になります。
これらのトラブルは、エンジンの修理や載せ換えで高額な費用がかかるため、早期の対応が非常に重要です。
オイル不足の主な原因2選

オイルの補充は根本的な解決にならないため、原因を調べて対応しなければオイル不足は解消しません。オイル不足になる主な原因は下記の2つが多いため、対処法の参考にしてください。
原因1. オイル消費
オイル不足の原因の一つとして挙げられるのは、オイルの消費です。
オイルは、正常な状態でも微量ずつ燃焼室に入り、燃焼・消費されます。しかし、オイルが不足するとエンジン内部の気密性が保てなくなり、燃焼室に入り込むオイルの量が増加します。こうした悪循環が続くと、深刻なエンジントラブルに発展する恐れがあるのです。
原因2. オイル漏れ
オイル不足の原因として、オイル消費と並んで多いのがオイル漏れです。これは、経年劣化によってパッキンやオイルシールが硬化して起こります。
オイル漏れは比較的発見しやすく、駐車場に油滴が付いていたり、エンジンルーム内にオイルがにじんでいたりします。また、ゴムの焼けたような臭いがするケースもあるため、日頃からチェックしておくと安心です。
まとめ|オイル不足は定期交換で予防しよう

車のオイルが少ないときにできる対処法はいくつかありますが、最も大事なのは、そもそもオイル不足を未然に防ぐことです。そのためには、定期的に点検やオイル交換をする以外にありません。
オイル漏れの早期発見はもちろん、愛車の健康状態がチェックできるため、計画的なオイル管理を心がけましょう。